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各社飛行機破壊さる
木津川 堺の大被害
大阪木津川の国際飛行場は無残にも打ひしがれた、日本航空輸送株式
会社の格納庫では、大鉄扉が内側に倒れ、中にあつた学生聯盟所属のア
プロおよび同夜間郵便機が破損したが、その他の機体は無事。庫内には
丸太ン棒が積んだやうに流れ込み、同社横の日本航空輸送研究所格納庫
は前のめりとなり、中部にあつたハインケル水上機二機は大破し、格納
庫前に大団平船がのし上げ、また西田飛行機研究所の格納庫二棟も全く
倒壊し、サルムソン十年式など約十機が大破全滅し、同所に預けてあつ
た学生聯盟機一機も全壊してしまつた。そして飛行場一帯は水田圃の如
く大丸太が敷つめたやうに浮び、その間には七、八隻の大団平船や陸軍
運輸部の大鉄船などがのし上げた惨状は、何時になつたら復旧使用でき
るか全く見当がつかないので、二十二日から輸送会社の定期機は城東練
兵場に離着陸の予定である。なほ木津川の飛行場南西に聳え、最も飛行
機発着に危険あつた廃工場の百数十尺の大煙突は、地上僅か残して折損
してしまつた。武庫川尻の川西航空機株式会社も大高潮のため大組立工
場に浸水し、附属建物も相当の損害を受けた模様である。また日本航空
輸送研究所の堺大浜格納庫は、これまでもしば／＼水災に見舞はれ、そ
の都度力強くも再興され、現在同研究所の根拠としてゐる教棟の格納庫、
事務所、学校は風と波に一たまりもなく全滅し、飛行機十六台はことご
とくこわされ飛散したほどの惨状である （大朝）
空の定期便は
城東練兵場から
非常ダイヤで運航
木津川大阪飛行場は浸水で当分使用不可能となり、同所にあつた日本
航空輸送会社の飛行機も当分使用できぬので、逓信省では航空局から新
井技術課長を大阪に急派することゝなり、廿二日午前日本航空輸送会社
定期航で飛来、大阪城東練兵場に着陸、直に関係当局と折衝の結果、臨
時に城東練兵場を大阪飛行場に代用することゝなり、廿二日から定期旅
客機は同所を発着点とし、東京、太刀洗を連絡してゐる。なほ大阪支所
の依頼による二機は午前中に大阪に飛来し、同日下り便は午前十一時か
ら、上り便は午後一時から定期に就航した。たゞし夜間敢行は当分でき
ぬと。なほ廿三日から左の非常ダイヤによることになつた（日曜も運航）
（下り便） 東京発午前九時卅分大阪着正午、同発午後一時福岡着午
後四時、福岡発翌日午前九時四十分蔚山へ（以下従前の
ダイヤによる）
（上り便） 福岡発午前九時卅分、大阪着午後零時卅分、同発午後一
時、東京着午後三時卅分
（東京、大阪ローカル便―下り便） 東京発午後二時卅分、大阪着午
後五時
（上り） 大阪発午前九時、東京発午前十一時卅分 （大毎）
大阪→松山間
定期航空続行
日本航空が二機を補充し尊き使命を果す
大阪松山間の定期航空を行つてゐる日本航空輸送研究所（所長井上長
一氏）はその本拠である堺大浜の格納庫が高潮のため破壊し、所有飛行
機全滅を伝へられ、同研究所の再起ならびに定期航空路の再開について
は一抹の不安があつたが、廿二日来阪中の航空局新井技術課長等と打合
せの結果、廿五日から定期便に就航することに決定した。これが不足機
は同研究所がかねて東京ガス電気と契約中のフオツクスモス機および海
防義会所有のフオツクスモス機を補充、難を免れた同所の一機によつて
航空郵便および内海旅客輸送の貴き使命を果すことになつた。
大衆党機十三台破壊
中河内郡盾津村国粋大衆党大阪防空飛行場も颱風のため、木工場、発
動機工場（計八十坪）を全部破壊され、講堂および寄宿舎六戸は半壊、
格納庫内にあつた飛行機十六台のうち僅かに三台を残すのみで、何れも
木つ葉微塵になつた。 （大毎）
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大刀洗は、
福岡県の
大刀洗飛
行場、
西日本の
陸軍の航
空拠点
海防義会は、
1922年設立
された義勇
財団
国粋大衆党
は、1931年
結党、本部
は北浜
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